京都コンピュータ学院の資料館が凄い|TK-80からiMacまでの名機たち
2026/2/19 RetroPC NEWS編集部
京都コンピュータ学院(KCG)の資料館(京都コンピュータ学院コンピュータ・ミュージアム)は、日本のIT教育のパイオニアである同学院が運営する、コンピュータ技術の歴史を保存・展示している貴重な施設です。
施設の特徴
この資料館は、日本で最初期のコンピュータ教育を開始したKCGの歴史を背景に、実際に稼働していた貴重な実機を数多く所蔵しています。
- 情報処理技術遺産の宝庫: 情報処理学会によって、歴史的に価値の高い「情報処理技術遺産」に認定された機器が多数展示されています。
- コンピュータの進化を体感: 巨大なメインフレームから、初期のパーソナルコンピュータまで、技術の変遷を目の当たりにできます。
主な展示内容
展示品の中には、日本のコンピュータ産業を支えた名機が並んでいます。
- 大型汎用機(メインフレーム): かつて大学や企業で使われていた巨大なHITACシリーズやTOSBACシリーズなど。
- 初期のPC・ワークステーション: Apple II、初期のMacintosh、NECのPC-8001、PC-9801シリーズなど、今のPCの原点。
- 記憶装置や周辺機器: 巨大な磁気ディスク装置や、パンチカードリーダーなど、現代のUSBメモリ等からは想像もつかないサイズの古いデバイス。
主な展示品紹介
IBM
IBM System/360
1964年に発表された世界初の汎用コンピュータ(メインフレーム)です。科学技術計算と事務処理の統合、アーキテクチャの統一によるソフトウェア互換性の実現など、現代のコンピュータの標準を築きました。
DEC
Digital Equipment Corporation PDP15とPDP11
DEC(現HP)が開発したミニコンピュータの名機です。PDP-11は16ビット機で、ユニバーサルバス(Unibus)の採用により柔軟な拡張性を持ち、UNIX誕生の舞台となりました。PDP-15は18ビット機で、先行するPDP-9の設計を継承し、科学技術計算やグラフィックス処理に特化したシステムです。
Digital Equipment Corporation VAX11/780
1977年にDEC社が発売した32ビットミニコンピュータです。その処理性能は「1MIPS(毎秒100万回命令実行)」と定義され、当時の標準指標となりました。後続マシンの性能を測る際の「VAX MIPS」という基準の元となった名機です。
IMS Associates

IMSAI8080
1975年に発売されたAltair 8800の互換機です。世界初の本格的なクローン機とされ、堅牢な筐体や改良された電源、操作性の高いスイッチが特徴。映画『ウォー・ゲーム』に登場したことでも有名です。
Altair 8800は、1975年にMITS社が発売した個人用コンピュータです。Intel 8080を搭載し、ビル・ゲイツがAltair BASICを開発したことでMicrosoft創業のきっかけとなりました。
HITACHI
HITACHI BASIC MASTER
日立製作所が1978年に発売した「ベーシックマスター(MB-6880)」は、日本初のパーソナルコンピュータの一つです。CPUに6800互換を採用し、BASICを内蔵。日本のマイコンブームの先駆けとなりました。
NEC

NEC TK-80
1976年に発売された日本初のマイコン・トレーニングキットです。8ビットCPU8080を搭載し、キーボードとLED表示器を備えたワンボード構成が特徴。エンジニア教育用から爆発的なマイコンブームを巻き起こし、後のPC普及の礎となりました。
NEC TK-80BS (COMPO BS/80-A)
NECのTK-80BSは、評価キットTK-80をパソコン化する拡張ボードです。COMPOBSは、そのTK-80BS相当をケースに収めたものです。BASICが利用可能で日本のPC普及に貢献しましたが、高価なうえに接続が複雑で、直後に高性能なPC-8001が登場。商業的には短命な失敗作となりました。
NEC PC-8001
NECが1979年に発売した「PC-8001」は、日本のパソコン市場のデファクトスタンダードを築いた伝説的名機です。高性能なN-BASICを搭載し、カラー表示にも対応。価格と性能のバランスが絶妙でした。
NEC PC-9801
1982年発売の「PC-9801(初代)」は、国産16ビットPCの標準を確立した名機です。CPUにμPD8086を採用し、640×400ドットの高解像度グラフィックスを実現。漢字ROM(別売)により高度な日本語処理が可能で、ビジネス市場を独占しました。
NEC PC-9801VM2
1985年発売の「PC-9801VM2」は、シリーズの地位を不動のものにした超ベストセラー機です。V30 CPUを採用し、5インチFDDを2基内蔵。高解像度なグラフィックと高速化により、ビジネス用途の標準機となりました。
NEC PC-9801LV
1988年発売の「PC-9801LV」は、PC-98シリーズの中でも普及型ラップトップとして登場しました。バックライト付きの青液晶を搭載し、省スペースながらバッテリー駆動も可能でした。性能面ではデスクトップ機のPC-9801UV互換で、3.5インチFDDを2基装備。ビジネスの現場に「持ち運べる98」を浸透させた一台です。
NEC PC-9801NV
1991年に発売されたPC-9801NVは、NECのノートPC「98NOTE」シリーズの低価格モデルです。白黒液晶とFDD1基を搭載し、当時のビジネスや教育現場で普及しました。上位機種より機能を絞り、携帯性とコストパフォーマンスを重視した一台です。
FUJITSU
FUJITSU FM-8
1981年発売の「FM-8」は、富士通が本格参入を果たしたモデルです。「究極の8ビット」と呼ばれたCPU、6809をメインとサブに2基搭載する豪華仕様で、高いグラフィック性能と処理速度を誇りました。世界初の64Kbit DRAM採用や、次世代の記憶媒体として期待されたバブルメモリへの対応も話題となりました。
FUJITSU FM-Towns2-UR
1989年登場の「FM TOWNS」は、世界で初めてCD-ROMドライブを標準搭載したマルチメディアPCです。32bit CPU(80386)と強力なグラフィック・音源機能を備え、アーケードゲームの完璧な移植や動画再生を実現しました。URは低価格なエントリーモデルとして登場しました。
TOSHIBA
TOSHIBA PASOPIA
1981年発売の東芝「パソピア(PA7010)」は、同社初の個人向けPCです。Z80 CPUを搭載し、豊かなグラフィックが特徴でした。本体右上に「拡張パック」を差し込んで機能を増設するカートリッジの先駆けともなりました。
TOSHIBA J-3100
1986年発売の東芝「J-3100」は、世界標準(IBM PC/AT互換)の設計に日本語表示機能を加えた独自のラップトップPCです。高精細なプラズマディスプレイを搭載し、ポータブル機の先駆けとなりました。
SHARP
SHARP MZ-80K2
シャープが1980年に発売、人気キットMZ-80Kを完成品として販売したモデルです。Z80 CPUを搭載し、ディスプレイとカセットデッキが一体化した「オールインワン」設計が特徴。OSをROMに持たず、テープから読み込む「クリーンコンピュータ」思想を継承しています。
SHARP MZ-80B
1981年発売の「MZ-80B」は、MZ-80Kの上位にあたるビジネス・高級ホビー機です。高精細なグリーンモニターを搭載し、グラフィック機能を標準装備。電磁メカ制御の高速カセットデッキなど、信頼性と性能を高めた設計が特徴です。
SHARP MZ-1500
1984年発売の「MZ-1500」は、MZ-700をベースにホビー機能を大幅強化したモデルです。クイックディスク(QD)を標準搭載し、読み込みが高速化。さらにMZ-700にはなかったPCGによる自由なグラフィックと、オプションで音声合成ボードが用意されました。
OKI
OKI if800
1980年発売の沖電気「if800」は、国産初のプリンタ一体型ビジネスPCです。Z80 CPUを搭載し、高精細グラフィックと漢字処理能力を備えていました。ディスプレイ、キーボード、プリンタが垂直に並ぶ独特のスタイルは、事務用PCの完成形と称されました。
CASIO
CASIO FP-1100
1982年発売の「FP-1100」は、メインCPUとサブにZ80を2基搭載し、640×200ドットで8色表示するなど表示能力が高い上に10万円台と安価でした。また、電卓メーカーらしい高性能なBASICも魅力でした。
SORD
SORD M5
1982年発売のソード「M5」は、5万円を切る低価格で登場したホビーPCです。ゲームに強いVDP(TMS9918A)を搭載し、カートリッジでソフトを切り替えることができるMSXの先駆け的な仕様を持っていました。用途別に3種類用意されたBASICも特徴的です。タカラから「ゲームパソコンM5」としても販売され、家庭への普及を目指しました。
Apple Computer
Apple Macintosh
Apple Macintoshは、直感的なマウス操作(GUI)を個人向けPCとして世界で初めて普及させました。写真左は、1993年に発売されたMacintosh Color Classicです。待望のカラーモニターを採用しました。写真右のMacintosh SEは1987年に登場し、HDD内蔵や拡張スロットの搭載で実用性を大きく高めたモノクロ一体型の名機です。
Apple iMac
1998年に登場したiMacは、半透明でカラフルな筐体を採用し、それまでのコンピュータのイメージを一新してAppleの復活を象徴しました。フロッピーを廃止しUSBを採用するなど、時代を先取りするデザインと使いやすさを追求しました。
KCGコンピュータミュージアム概要
| 項目 | 内容 |
| 名称 | 京都コンピュータ学院京都駅前校 KCGコンピュータミュージアム |
| URL | https://www.kcg.ac.jp/museum/computer |
| 所在地 | 京都市南区西九条寺ノ前町10-5 |
| 入館料 | 無料 |
| 開館日 | 平日(月〜金) |
| 予約の要否 | 事前予約を強く推奨 |
| 所要時間 | 30分 〜 1時間程度 |
| 撮影の可否 | 可能(原則) |
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