Apple機がSDカードで蘇る。万能ディスク・エミュレータ Floppy Emu

2025/12/29 RetroPC NEWS編集部

米カリフォルニアの「Big Mess o’ Wires(BMOW)」が手掛ける『Floppy Emu』は、入手困難なフロッピーディスクや寿命を迎えたハードディスクの代わりに、SDカードを記録メディアとして使用できるAppleマシン向けのディスク・エミュレータである。

IMG_9213-2 Apple機がSDカードで蘇る。万能ディスク・エミュレータ Floppy Emu
組み立て後の全体図
IMG_9214-1 Apple機がSDカードで蘇る。万能ディスク・エミュレータ Floppy Emu
SCSIポートに接続する

■ 1枚のSDカードに数千枚のディスクを凝縮

「Floppy Emu」の最大の特徴は、その圧倒的な汎用性にある。これ1台で、かつてのAppleを象徴するMacintosh、Apple II、そして希少なLisaのすべてに対応。SDカード内に保存したディスクイメージ(.dsk, .2mg, .mac等)を液晶画面を見ながら選択するだけで、実機からは「本物のドライブが接続されている」と認識される。

■ フロッピーとハードディスクをエミュレート

本機は単なるフロッピーの代わりにとどまらない。

  • Macintosh用: 400K/800K/1.4MBのフロッピーに加え、最大2GBまでのハードディスク(HD20)をエミュレート。
  • Apple II用: 5.25インチおよび3.5インチドライブ、さらにスマートポート接続のハードディスクとして動作。
  • Lisa用: フロッピーおよび「Widget」ハードディスクのエミュレートをサポート。

当時の実機ユーザーを悩ませる「ドライブの故障」や「メディアの劣化」から解放されるだけでなく、現代のPCでダウンロードしたソフトウェアを即座に実機へ転送できる「架け橋」としての役割も果たしている。

■ 現代的な利便性とスケルトンデザイン

接続は、実機の背面にあるディスクポートに差し込むだけ。ドライバのインストールなどは一切不要のプラグアンドプレイ仕様だ。現行の「Model C」では、バックライト付きの液晶ディスプレイを搭載し、暗い部屋でも操作しやすいよう配慮されている。また、透明なアクリルケースに収められたその姿は、往年の銘機の傍らに置くのに相応しい美しさを持っている。

■ Vintage Software Collection SD Card

Floppy Emuでの使用に最適化された、Mac、Apple II、Lisaのディスクイメージ約350MB分をプリロードしたMicro-SDカード(SDアダプター付)。

IMG_9221-3 Apple機がSDカードで蘇る。万能ディスク・エミュレータ Floppy Emu
本体のメニューからディスクを選ぶ
DSC04322-1 Apple機がSDカードで蘇る。万能ディスク・エミュレータ Floppy Emu
Systemを起動できる

■ 音を再現させるオプション(笑)

ファンをニヤリとさせるのが、オプションの『Noisy Disk』だ。SDカードへのアクセスに合わせて、リレーが「カチカチ」とメカニカルな音を奏でる。物理ドライブがシークするあのノスタルジーを、あえて「デジタルで再現」する遊び心は、単なる実用性を超えた愛を感じさせる。

image-34-1024x768 Apple機がSDカードで蘇る。万能ディスク・エミュレータ Floppy Emu

Noisy Disk Mechanical Sounder $19

■ 編集部より:レトロPC保存活動の「神器」

かつての名機たちが、フロッピーディスクのような物理部品の寿命によって動かなくなっていく中、「Floppy Emu」のようなデバイスは「生命維持装置」とも言える存在かもしれない。