サークル探訪記:asayan-town

2025/12/20 RetroPC NEWS編集部

NECの幻の名機PC-100を中心とした技術研究・改造・情報発信

image-4-1020x1024 サークル探訪記:asayan-town

主な活動内容

  • MI68(レトロコンピュータ同人即売会)
    ほぼ毎年出展(2024・2025年も確認)。
    2025年10月12日(秋葉原UDX)では、yone(@yone)と共同ブース(ASAYAN-TOWN + yone)で出展。
    主な展示・頒布内容:
    • PC-100TOWN(最新版) → 1024×1024dotハイレゾ表示の実現、JIS第二水準漢字ROM試作、幻のHDD内蔵機「PC-100SF」徹底調査など
    • PC-100実機展示
    • SONY NEWS NWS-831エミュレータ(yone担当)
    • PC-100ハッピーターン(特典グッズ)
    • JR-300エミュレータ展示(PocketGriffonさん協力)
  • 技術的なハイライト
    • PC-100のカタログスペック(720×512dot)を超える1024×1024dot表示の実現(CRTC制御実験)
    • PC-9801ESの漢字ROMチップを流用したJIS第二水準漢字ROM試作
    • 幻の機種「PC-100SF」の実機調査

特徴

  • PC-100に特化したマニアックな深掘りレポートが特徴。
  • 西和彦さん(ASCII創業者)も絶賛した内容(「PC-100は可哀想な子」など)。
  • 展示では実機+改造デモ+エミュレータを組み合わせ、来場者に「幻の四角い画面」を体験させる。

ASAYAN-TOWNは、レトロPC愛好家、特にPC-100の「幻のスペック」を現代で実現させることに情熱を注ぐサークルです。MI68などのイベントで毎年新発見を報告しており、PC-100ファンにとっては必見のサークルです。もし本や展示に興味があれば、MI68に来場するか、サイトを覗いてみてください!


asayanさんの部屋写真集


NEC PC-100について

NEC PC-100(1983年発売)は、日本のパソコン史において「あまりに早すぎた天才」と評される伝説的なマシンです。

1. 時代を10年先取りした「3つの革命」

PC-100が驚異的だったのは、WindowsやMacintoshが普及するずっと前に、現代のPCの当たり前を実現していた点です。

  • GUIとマウスの標準採用: まだキーボードでコマンドを打つのが当然だった時代に、マウスによる直感操作(GUI)を標準搭載しました。
  • ビットマップディスプレイ: 当時は文字を表示するだけでも大変でしたが、PC-100は画面の全ドットを自由に制御できる「ビットマップ方式」を採用。これにより、自由なフォントやグラフィックの重ね合わせが可能でした。
  • 縦置き・横置き自在のモニター: 付属のモニターを90度回転させることができ、縦に置けば「A4書類を原寸大で表示できる」という、現在のDTP作業のような環境を1983年に実現していました。

2. 商業的成功…とは言えなかった理由

これほど先進的だったにもかかわらず、PC-100は商業的には失敗に終わりました。

  • 「PC-9801」という身内のライバル: 当時、NEC社内では別部署が開発した「PC-9801」がすでにビジネス市場で成功し始めていました。PC-100は98との互換性がなかったため、ユーザーもソフトメーカーも混乱し、結局「手堅い98」へと流れてしまいました。
  • ソフト不足と価格: 高度な機能をフルに活かすには専用ソフトが必要でしたが、開発が難しくソフトが揃いませんでした。また、当時としては非常に高価(本体とカラーモニターで約50万円以上)だったことも普及の壁となりました。
  • マシンスペックの限界: 高度なグラフィック処理を当時のCPU(8086)で行っていたため、画面の動きが重く、ストレスを感じる場面も多かったようです。

3. PC-100が残した「遺産」

商業的には失敗しましたが、PC-100が蒔いた種は後の日本のPC文化に大きな影響を与えました。

  • 「一太郎」のルーツ: PC-100の目玉ソフトとして開発されたのが、ジャストシステムの『JS-WORD』でした。これが後にPC-98向けに移植・進化し、国民的ワープロソフト『一太郎』へと繋がります。
  • 日本語入力の進化: JS-WORDに搭載されたかな漢字変換システム『KTIS』は、後に『ATOK』となり、現在も多くのユーザーに使われています。

PC-100 基本データ

  • 発売: 1983年10月
  • OS: MS-DOS(標準搭載。これも当時としては画期的でした)
  • 価格: 398,000円(model 30 / カラー表示対応モデル)