PC-8801B! PC-6001A! PC-9801FC! NECが海外で展開した日本人が知らないPC
2026/1/16 RetroPC NEWS編集部
国内パソコン史において圧倒的なシェアを誇ったNEC。そのグローバル戦略の足跡を辿ると、私たちの知らない型番や仕様を持つ興味深いマシンが次々と現れます。NECが海外で発売していたPCシリーズを一挙にご紹介します。
PC-6001A
北米版のPC-6001Aはキーボードが改善され、より一般的な「タイプライター風」のプラスチック製キーに変更されています。また、「かな」キーの代わりに「ALT CHAR」キーが配置されています。
内蔵フォントとキャラクターのひらがな・カタカナのフォントが削除(または変更)されています。その分、グラフィック文字などが一部異なっています。
PC-6001BmkII
ほとんど存在を知られていないかもしれません。PC-6001BmkIIです。
PC-6001BmkII (画像出典: わんにゃーHashiさん)
PC-8201A
英語キーボードとなり、メモリが24KBや32KBに強化され、300bpsのモデムが内蔵されています
PC-8201A
PC-8300
メインメモリが64KBとなりキーボードが改良されました。内蔵されている文章作成ソフト(TEXT)に単語検索や置換といった実用的なワードプロセッサ機能が追加・改良されています。
北米市場ではPC-8201Aの後継として投入されましたが、発売された1980年代半ばから後半にかけてはラップトップPCが登場しセールス的にはあまり成功しませんでした。
PC-8300 (画像出典: PocketGriffonさん)
PC-8200シリーズには、他にも、Kyocera KC85 /Tandy TRS-80 Model 100 / Tandy TRS-80 model 102 / Olivetti M10 / Tandy TRS-80 model 200 があります。

Tandy TRS-80 model 200 (画像出典: PocketGriffonさん)
PC-8500
PC-8500では 画面サイズの大幅な拡大が行われ80文字×25行と、当時のデスクトップPC(PC-8801など)と同等の情報量を表示できるようになりました。これにより、本格的な文書作成や表計算が可能になっています。
PC-8500は、単なる「テキストエディタ付き端末」から「ビジネスツール」へと進化しました。以下のソフトが標準でROM内蔵されています。
- WordStar-to-Go: 当時の超メジャーなワープロソフト「WordStar」のサブセット版。
- Calc-to-Go: 表計算ソフト。
- Personal Filer: 住所録などのデータベース管理。
- Terminal: 通信ソフト。
OSはCP/M 2.2を搭載し、最大 128KB まで拡張可能でした。

(画像出典 ebay)
PC-8801B
PC-8801Bは、海外版のPC-8801です。
PC-8801B (画像出典 ebay)
APCIII
APCIIIは、日本の伝説的な名機PC-9801Fの兄弟機にあたりますが、海外市場(主に米国)のニーズに合わせて設計された、非常に興味深い立ち位置のモデルです。
開発の背景
当時の日本市場では、NECのPC-9801が圧倒的なシェアを誇っていました。一方で、アメリカ市場ではIBM PC(およびその互換機)が標準になりつつありました。
APC IIIは、PC-9801の優れたグラフィック能力やハードウェア設計をベースにしつつ、アメリカで主流だったMS-DOS環境での利用を想定して開発されました。
主なスペックと特徴
APC IIIは、当時のIBM PCと比較しても非常に高性能なマシンでした。
- CPU: Intel 8086 (8MHz) を搭載。IBM PCの8088 (4.77MHz) よりも高速でした。
- グラフィックス: 最大640×400ピクセルの高解像度。当時のIBM PC(CGA:320×200など)を大きく上回る鮮明さで、ビジネス文書やグラフの表示に強みがありました。
- ストレージ: 5.25インチ・フロッピーディスクドライブを1基または2基搭載。後にハードディスク内蔵モデルも登場しました。
- OS: MS-DOS 2.11が標準。
PC-9801との関係(似て非なるもの)
APC IIIの外観や内部基板は、日本のPC-9801Fに非常によく似ています。しかし、決定的な違いがありました。
- 互換性: PC-9801用のソフトウェアをそのまま動かすことはできませんでした。日本語処理(漢字ROM)の有無や、メモリアドレスの割り当てが異なっていたためです。
- ターゲット: 日本では「ホビーからビジネスまで」でしたが、アメリカでのAPC IIIは「ハイエンドなビジネス用ワークステーション」として売り出されました。
歴史的評価
APC IIIは、その高いグラフィック性能から、初期のAutoCAD(設計ソフト)を動かすためのプラットフォームとして高く評価されました。しかし、最終的には「IBM PC互換機」の波に押されることになります。独自設計ゆえに、IBM PC用の拡張カードやソフトがそのまま使えなかったことが、アメリカ市場でのシェア拡大の壁となりました。
APCIII (画像出典 archive.org)
PC-9801FC
中国専用機、PC-9801F相当です。1バイトFONTとROM-BASICはPC-9801Fと同様ですが、漢字ROMがGB2312となっています。(Flyingharukaさんより)
PC-9801FC (画像出典 Flyingharukaさん)
ZD-3100
NEC PC-100の中国市場向けモデルであるZD-3100(正式名称:NEC ZD-3100 中国語パーソナルコンピュータ)は、日本のPC-100をベースに、中国語処理能力を強化して1984年頃に中国向けに輸出・展開された非常に珍しいマシンです。
この機種の背景と特徴について解説します。
開発の背景
1980年代前半、NECは中国市場への進出を積極的に進めていました。当時の中国では「漢字(中国語)」をいかにコンピュータで扱うかが最大の課題でした。
そこで、当時日本で「革新的なグラフィック性能(高解像度ビットマップディスプレイ)」と「マウス操作(GUIの先駆け)」を誇っていた PC-100 をベースに、中国語処理システムを組み込んだのが ZD-3100 です。
主な特徴と仕様
ZD-3100は、ハードウェアの基本構成はPC-100(PC-100 model 30等)とほぼ共通ですが、中国市場向けに以下のカスタマイズが施されていました。
- 中国語OSの搭載: 日本版PC-100は「日本語MS-DOS 2.01」が標準でしたが、ZD-3100は中国語(簡体字)を扱える独自のMS-DOS環境を備えていました。
- 高解像度ディスプレイの活用: PC-100の最大の特徴である 720×512ドット の高解像度は、複雑な画数を持つ漢字を表示するのに非常に適していました。
PC-100との違い
キーボードは英語のみ、漢字ROMにあたる部分が中国語対応に変更されています。電源はAC220Vです。
ZD-3100F (画像出典 ETHYLE~1.SYSさん)
RetroPC NEWS編集部で調べ切れたのはここまでとなりました。もし詳しい情報をご存知でしたらお寄せ下さい。よろしくお願いします!










