PC-9801の8086ボード?! PC-9801-23がヤフオクに出品される
2025/12/17 RetroPC NEWS編集部

https://auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/t1212534409
PC-9801-23とは何か?
“PC-9801-23 8086ボード”がヤフオクに出品された。PC-9801はもともと8086CPUを搭載しているはずなのに、8086のCPUボードが純正のオプションがあえて存在したのはなぜなのか。
それはPC-9801VF/VMが、NECが独自開発したV30という8086上位互換のCPUを初めて搭載したため、従来の8086との互換性を保つために専用ボードがオプションとして提供されたのである。
かなり珍しい品なのでその理由をもう少し解説したい。
8086とV30は、どちらも16ビットのマイクロプロセッサであるが、NECがIntel 8086の上位互換として開発したのがV30(μPD70116)である。
主な違いと特徴は以下の通りである。
1. 互換性とアーキテクチャ
- 8086 (Intel): 16ビットCPUの元祖の一つで、後のx86アーキテクチャの基礎となった。
- V30 (NEC): 8086(正確にはNECのμPD8086)とピン互換・ソフトウェア上位互換を持ちつつ、内部アーキテクチャに改良が加えられている。
2. 処理速度と内部構造
- 高速化: V30は、内部バスの改良などにより、同一クロック周波数において8086よりも高速に動作する(一般的に10~30%程度速い)とされている。
- 内部構造: 8086の内部構造をベースにしつつも、命令の実行パイプラインなどの効率化が図られている。
3. 命令セットの拡張
- V30の独自命令: V30には、8086にはない独自の拡張命令が追加されている。
- 8080エミュレーションモード: V30の大きな特徴の一つとして、Intel 8080の命令セットを直接実行できるエミュレーションモード(μPD8080互換モード)を持っている。これにより、当時の8ビットOSであるCP/Mなどのソフトウェアを動作させることが可能であった。
なぜV30より性能の低い8086ボードがNECのオプションとして登場したのか?
当時のカタログを見るとデューティー比が異なるため非互換が発生するとのことだった。

PC-9801VMのカタログ
Intel 8086: 1:2(約33%)という特殊なデューティ比を必要とする。
- 8086は「H」の期間が短く、「L」の期間が長いクロックで動作するように設計されている。そのため、専用のクロックジェネレータ(i8284など)を使用して、元の発振周波数を3分周してこの比率を作り出すのが標準的であった。
NEC V30: 1:1(50%)**のデューティ比を基本とする。
- CMOS化されたV30は、より一般的な「HとLが半々」のクロックで動作するように設計されている。
実際にこのような話もある。
当時のPC-9801ユーザーの間で行われた「CPUの載せ替え(V30への交換)」でも、こうした互換性問題により一部のゲームが動かなくなる現象は有名であった。
とはいえ、現実問題として非互換性による問題はほとんどなかったため以降のモデルからは8086ボードのオプションは消滅し、PC-9801-23は幻のような存在になった。
NEC総合プロダクトガイドより (画像提供: 葵新伍さん)
このPC-9801-23は、PC-9801VF/VM用オプションで当時の価格は23,000円だったようだ。
当時はハードウエアを直接叩いたり接続することが当たり前であり、過去製品との互換性がセールス的にも重要視されていたことを物語っている。
他にも10枚の画像があり眺めるだけでも面白い。12月20日(土)21時27分終了予定。
- Yahoo!オークション



