ハンドヘルドPCの元祖 EPSON HC-20 発売当時のニュースリリースから判明した新事実

2026/1/25 RetroPC NEWS編集部

EPSON HC-20について

1982年発売のEPSON HC-20は、世界初の本格的なハンドヘルドコンピュータです。A4サイズにキーボード、ドットマトリクス液晶、プリンタを凝縮した革新性が支持され、全世界で累計約25万台を記録する商業的大成功を収めました。信頼性の高さから、単なるホビー機に留まらず、工場の制御や科学観測といったプロの現場で持ち運べるコンピュータとして世界中で愛用されました。

hc-20-1 ハンドヘルドPCの元祖 EPSON HC-20 発売当時のニュースリリースから判明した新事実

EPSON HC-20 (カタログより)

HC-20といえばこのシルバーの筐体を思い浮かべるはずです。しかし、それを覆すブラックモデルの存在が、おンおン氏によって明らかになりました。


これを受け、RetroPC NEWS編集部が独自に調査を行ったところ、当時ブラックモデルが確実に存在していたという、明らかな痕跡が確認されました。

HC20_BLACK ハンドヘルドPCの元祖 EPSON HC-20 発売当時のニュースリリースから判明した新事実

EPSON HC-20 ニュースリリース ボディ色は黒(画像:工学社 I/O 1981/12)

image-4 ハンドヘルドPCの元祖 EPSON HC-20 発売当時のニュースリリースから判明した新事実

I/O 1981/12 表紙 (画像:工学社 I/O 1981/12 – 編集部加工 – 情報提供:nyamcotさん)

HC20_BLACK2 ハンドヘルドPCの元祖 EPSON HC-20 発売当時のニュースリリースから判明した新事実

雑誌の表紙を黒のHC-20が堂々と飾っている(画像:電子展望 1982/2月号 – 編集部加工)


【考察】HC-20の筐体色は、発売直前に変更されたのか?

HC-20の発売日は1982年7月ですが、雑誌メディアの動きを追うと興味深い事実が見えてきます。まず、雑誌『I/O』に情報が掲載されたのは1981年12月号。逆算すると、メーカーのニュースリリースは遅くとも同年11月には出されていたはずです。また、『電子展望』1982年2月号の表紙を飾っていることから、その準備は1月時点ですでに完了していたと考えられます。

これらの時系列を踏まえると、1982年1月から7月の発売までの間に、筐体色が「ブラック」から「シルバー」へと変更された可能性が極めて高いといえます。

この仕様変更の経緯について詳しい情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひ編集部までお寄せくださいね。


Wikipedia HX-20には、以下の記載がありました。黒(ダークグレイ)はプロトタイプのようでした。なぜ色が変更されたかについては記述がありませんでした。

The known colors of the machine are silver and cream, while some prototypes are dark grey. 

マシンの既知の色はシルバーとクリーム色ですが、いくつかのプロトタイプはダークグレーでした。


EPSON HC-20 / HX-20(HC-20の海外版) 主要諸元

項目仕様内容備考
CPUHitachi 6301 614KHz × 2
(Motorola 6800互換)
デュアルプロセッサ構成(制御用と演算用)
メモリ (RAM)16 KB (最大 32 KB)
メモリ (ROM)32 KB (最大 72 KB)Microsoft BASIC、モニタ等
液晶ディスプレイ120 × 32 ドット文字表示:20桁 × 4行
キーボード68キー / JIS標準配列準拠フルサイズに近い打鍵感
内蔵プリンタ24ドット インパクトドット方式58mm幅の普通紙ロールを使用
外部記憶装置マイクロカセットドライブ
インターフェースRS-232C、シリアル、バーコード、拡張バス
電源内蔵ニッケルカドミウム電池 / ACアダプタ連続稼働 約50時間
外形寸法290(W) × 215(D) × 44(H) mmほぼA4サイズ
重量約 1.6 kg
発売価格136,800円